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take a breather

第30章 Still...

ナカを指でグリグリと掻き混ぜられる

「んっ…」

人生初の感覚に、時折ビクッと体が反応する

「大丈夫か?翔」

智くんの指の動きが止まる

「うん…ごめんね、俺がビビりだから
ちょっとした事で反応しちゃう…」

智くんに余計な気遣いをさせてる
少しの違和感は感じても、痛みはないのに…

「ふふっ、いいんだよ
そこも翔の可愛い所だから」

また可愛いって…

「ねぇ、俺って可愛いの?」

「うん。めっちゃ可愛い
幼稚園の時から可愛いと思ってた」

「…どこが?」

自分に可愛い所があるなんて、思った事ない

「ん〜?全部?
見た目もそうだけど
不器用な所とか、めちゃめちゃ可愛い」

「は?そんな事が可愛いの?」

「ただ不器用なだけならそうでもないんだろうな…
翔の場合は、不器用だけど一所懸命だから可愛い
幼稚園の時に、翔がブロックでチョコレート作ったの覚えてる?」

「うん、覚えてる…」

智くんの作った家と、あまりにも出来が違い過ぎたし
あの家を見て、俺は智くんの夢の応援を始めた

「あの時の翔、すっげえ頑張って作ってたの…
何が出来るのかなぁ、って楽しみにしてたら
出来上がったのがチョコレートだろ?
しかも自慢げに言うからさ
もうメッチャ可愛いな、コイツって思って
あの時、俺は翔を好きになったんだ」

「えっ⁉︎そうだったの⁈」

あんな前から智くんは俺の事…

「翔は?いつから俺の事、好きになってくれてた?」

「俺?俺は…」

多分同じ時…

あの時の真剣な智くんの顔に、俺は惹かれた

「ふふっ…俺もあの時だよ
智くんが俺に家を建ててくれるって言ったあの時から、俺は智くんの事が好きになったんだ」

「そっか…俺たち、ずっと両思いだったんだな」

智くんが嬉しそうに微笑んだ

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