take a breather
第4章 途中下車
帰りの電車、大野さんと帰る方角は同じだった
時刻的にまだ帰宅する人が多い時間帯
空いてる席などなくて、満員電車に近い状態の車内
立ったままの俺は電車の揺れに堪えるのに必死だった
ただでさえ足元がフラついているのにこの揺れはキツイ
車内の熱気もあって少し眠くなってきた…
電車が揺れた瞬間、ボーッとしていた俺は大きく体勢を崩した
転倒を避けようと右手を伸ばししがみついた場所は、左隣に立っていた大野さんの左肩…
大野さんの胸に飛び込むように倒れこんでしまった
「ごめんなさっ…」
急いで離れようとする俺の腰に、大野さんの腕が回る
「いいから、そのまま寄りかかっとけ…
ほんとは立ってるのしんどいんだろ?」
大野さんの優しい声が耳元で聞こえる
「で、でも…迷惑…」
「迷惑なんかじゃねぇよ…寧ろ役得?」
冗談めかし少し笑いを含んだ声に安心し、お言葉に甘えてそのまま凭れかかってしまった
満員電車だし…いいよね、これくらい…
酔っ払いがフラついただけのこと…
優しい大野さんが見るに見兼ねただけなんだから
大野さんの肩口に頬を寄せ目を閉じる
こんな幸せな時間…二度と来ないんだろうな…
幸せに酔いしれていた俺は大野さんの声で意識を引き戻された
「櫻井、駅に着くぞ」
「…え?あっ、すみませんっ」
幸せな時間は終わりを告げる…
大野さんから体を離しお礼を述べた
「ありがとうございました…」
「大丈夫か?」
「はい、すみませんでした」
「だから気にするなって
役得だって言っただろ?」
最後まで優しさを見せてくれる大野さん
この優しさを独り占め出来たら…
駅に到着し、大野さんにお辞儀をして電車から降りた
「で、どっち?お前の家」
後ろから聞こえる声に吃驚し、勢いよく振り返った。
時刻的にまだ帰宅する人が多い時間帯
空いてる席などなくて、満員電車に近い状態の車内
立ったままの俺は電車の揺れに堪えるのに必死だった
ただでさえ足元がフラついているのにこの揺れはキツイ
車内の熱気もあって少し眠くなってきた…
電車が揺れた瞬間、ボーッとしていた俺は大きく体勢を崩した
転倒を避けようと右手を伸ばししがみついた場所は、左隣に立っていた大野さんの左肩…
大野さんの胸に飛び込むように倒れこんでしまった
「ごめんなさっ…」
急いで離れようとする俺の腰に、大野さんの腕が回る
「いいから、そのまま寄りかかっとけ…
ほんとは立ってるのしんどいんだろ?」
大野さんの優しい声が耳元で聞こえる
「で、でも…迷惑…」
「迷惑なんかじゃねぇよ…寧ろ役得?」
冗談めかし少し笑いを含んだ声に安心し、お言葉に甘えてそのまま凭れかかってしまった
満員電車だし…いいよね、これくらい…
酔っ払いがフラついただけのこと…
優しい大野さんが見るに見兼ねただけなんだから
大野さんの肩口に頬を寄せ目を閉じる
こんな幸せな時間…二度と来ないんだろうな…
幸せに酔いしれていた俺は大野さんの声で意識を引き戻された
「櫻井、駅に着くぞ」
「…え?あっ、すみませんっ」
幸せな時間は終わりを告げる…
大野さんから体を離しお礼を述べた
「ありがとうございました…」
「大丈夫か?」
「はい、すみませんでした」
「だから気にするなって
役得だって言っただろ?」
最後まで優しさを見せてくれる大野さん
この優しさを独り占め出来たら…
駅に到着し、大野さんにお辞儀をして電車から降りた
「で、どっち?お前の家」
後ろから聞こえる声に吃驚し、勢いよく振り返った。