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take a breather

第30章 Still...

「治安は安全なの?」

「さぁ、場所にもよるんじゃね?
まぁ、日本に比べれば、どこの国に行ったって危険な国だよ」

それはそうだけど…

智くんの夢を応援するって決めたけど
智くん本人に何かあったら、元も子もないじゃん

「出発はいつ?」

「来月」

来月って…もうそこまで決めてるんだ

なら、俺が何を言っても覆らないね

高校入試の時もそうだった…
俺に志望校を変えさせないために、ギリギリまで黙っていられたんだ

「そ、か…気を付けて行って来てね」

「おう」

俺が出来るのは、この場所で、智くんの夢が叶うように願う事と
智くんの無事を祈ることだけ

そして、暫く感じられなくなる智くんの温もりを、忘れないように体に刻み込む

「智…」

名前を呼んで見つめれば
智くんは察したのか、座っている距離を詰めた

俺の両肩に手を乗せキスをすると
そのままゆっくり押し倒された


「んっ…さとし…もっと…おく…」

智くんの動きに合わせて腰を揺らす

「今日は積極的だな」

智くんがグイッと腰を押し込んだ

「あぁっ、イイっっ…
もっと…もっとおくっ…」

貴方の熱を覚えておきたいから
より深い所で貴方を感じたい

智くんが出発するまで、あと何回触れ合えるかわからないんだから…

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