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take a breather

第4章 途中下車

「あの時さ、瞬間的に助けたけど
お前の顔見た時、改めて助けて良かったって思ったよ」

俺を見つめるその瞳も、その顔に浮かぶ微笑みも優し過ぎて
今日イチで胸がギュッと締め付けられた

思わず逸らしてしまった視線

それでも大野さんの言葉は続く

「お前が怪我しなくてほんと良かったって…」

勘違いしちゃダメだ
これは大野さんの優しさ

きっと俺以外の人を助けても同じ瞳で同じことを言う

そう自分自身に言い聞かせようとしてるのに…

「松兄と相葉がスッゲェ羨ましかったよ」

だからダメだって…

「櫻井と楽しそうに話してるふたりが、超羨ましかった…」

我が家まであと数十メートル…

自分の心音が邪魔をして大野さんが何を言っているのか理解出来ない

「ごめんな…俺も酔ってるみたい…
初日からこんな話しするつもりじゃなかったのに…」

大野さんの手が俺の手に触れた

「今日一日、櫻井の可愛い姿見てたら我慢出来なくなった」

ちょっと待って…大野さんは何を言ってるの?

気がつくとふたりの足は止まってて…

大野さんが俺の正面に立っていた

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