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take a breather

第4章 途中下車

「俺、お前にひとつ嘘ついた」

嘘?何か嘘をつかれるような場面あったっけ…

「松兄に『誰かいいのいたら回して』って言ったんじゃない…」

真正面から見つめられる視線を今度は逸らすことは出来なくて…

「『櫻井が欲しいから俺にくれ』ってお願いした」

俺が欲しい?

「これ、パワハラか?」

大野さんの手が俺の手を強く握る

それに反して不安そうに揺れる瞳
大野さんがこんな表情するなんて…

俺はゆっくりと首を横に振った

「パワハラじゃ…ない、です…」

大野さんの手をギュッと握り返した

その瞬間、大野さんはホッと息を吐き、体から力を抜いた

「よかった…」

心底安心したような呟き…

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