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take a breather

第5章 復活LOVE

遊び?昨夜のことが?

そんな嘘、誰が信じるんだよ

翔くんの体が男を初めて受け入れたってことはわかってる

唇を噛み締め苦痛の表情を浮かべてたんだから

遊びなんかで耐えられる痛みじゃない

俺がその苦痛を与えてると思うと心苦しかった
なのにそんな俺の気持ちを読み取ったのか
翔くんはふわっと優しく微笑んで『大丈夫だから続けて』と言った

その言葉は俺に対する翔くんの想い…
痛みよりも俺と結ばれることを望んでくれてる
その想いが嬉しくて行為を止めずに抱いた

本当に幸せな時間で
これからはずっとこの時間が続くんだ…
そう思って翔くんを胸に抱いて眠りに就いた。

それなのに、何故そんな嘘をつく?

「翔くん…どういうつもり?」

俺が翔くんの隣に座って詰め寄っても、表情を変えもしない

「どういうって、そのまんまだよ
酔った勢いでことに及んだだけ…
そこに気持ちはないってこと」

「そんなわけないだろ!
あんなに苦しい思いして俺を受け入れたのに、遊びなわけない!
少なくとも俺は翔くんのことっ…」

「智くん…」

翔くんに遮られてしまった『好き』という言葉…

それすら言わせてくれないのか?

目の前の翔くんが漸く表情を崩した

「ごめんね…
昨夜は俺も箍が外れた…
でも、やっぱり駄目だよ
これで嵐は終わりじゃない、これからも続くんだ
少しのリスクも抱えられない

…俺は嵐を守りたい」

涙で潤んだ瞳…でも、その瞳は強い意志を宿していた

翔くんの俺への想い…
そして、翔くんの嵐への想い…

どちらも痛いほどわかった

わかった上で翔くんが嵐を選ぶなら
俺は認めるしかなかったんだ…

ふたりの未来を諦めることを

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