take a breather
第6章 season
俺が何も答えず彼を見続けていると
更に俺の方に近づいて来た彼
俺のすぐ目の前に立ち微笑みながらもう一度言った
「綺麗だね…」
「あ…うん…凄いよね、この桜。
近くで見たくて入って来ちゃった」
「ここの生徒じゃないの?」
「ここの生徒だよ?4月からね」
「よかった…」
彼はほっとしたようにそう言った
「え…なにが?」
「あぁ、なんでもない。
俺も4月からここの生徒
よろしくな?」
手を差し出され、その手を握る。
「あ…うん。よろしく」
入学する前に知り合いが出来たことを幸先良く感じた
「俺、大野智。『さとし』って呼んで」
「智ね。俺、櫻井翔」
「さくらい?ヘぇ…だから桜が似合うのか…」
「桜が似合う?俺が?」
初めは変わったことを言うヤツだと思った
男に桜が似合うなんて…
でも、なんで智がそう言ったのか
その答えを俺は1年後に知る
高校生活は楽しかった
智とも同じクラスになれたし、他にも気の合う仲間が出来たから
「あれ?大野は?」
美術教師の井ノ原先生が放課後俺たちの教室に顔を出した
「あれ?さっきまでいたのに」
キョロキョロと周りを見渡す雅紀
「もう帰ったんじゃないっすか?」
スマホ片手に答えるカズ
「二宮、校内はスマホ禁止だぞ?」
「へ〜い」
注意されても全く動じない
「たくっ…お前は」
「先生、まだ諦めてないの?
智の美術部入部」
苦笑しながら潤が聞く
「当たり前だろ?
あんなに才能あるヤツほっとけるかよ」
更に俺の方に近づいて来た彼
俺のすぐ目の前に立ち微笑みながらもう一度言った
「綺麗だね…」
「あ…うん…凄いよね、この桜。
近くで見たくて入って来ちゃった」
「ここの生徒じゃないの?」
「ここの生徒だよ?4月からね」
「よかった…」
彼はほっとしたようにそう言った
「え…なにが?」
「あぁ、なんでもない。
俺も4月からここの生徒
よろしくな?」
手を差し出され、その手を握る。
「あ…うん。よろしく」
入学する前に知り合いが出来たことを幸先良く感じた
「俺、大野智。『さとし』って呼んで」
「智ね。俺、櫻井翔」
「さくらい?ヘぇ…だから桜が似合うのか…」
「桜が似合う?俺が?」
初めは変わったことを言うヤツだと思った
男に桜が似合うなんて…
でも、なんで智がそう言ったのか
その答えを俺は1年後に知る
高校生活は楽しかった
智とも同じクラスになれたし、他にも気の合う仲間が出来たから
「あれ?大野は?」
美術教師の井ノ原先生が放課後俺たちの教室に顔を出した
「あれ?さっきまでいたのに」
キョロキョロと周りを見渡す雅紀
「もう帰ったんじゃないっすか?」
スマホ片手に答えるカズ
「二宮、校内はスマホ禁止だぞ?」
「へ〜い」
注意されても全く動じない
「たくっ…お前は」
「先生、まだ諦めてないの?
智の美術部入部」
苦笑しながら潤が聞く
「当たり前だろ?
あんなに才能あるヤツほっとけるかよ」