テキストサイズ

take a breather

第6章 season

「それにしても井ノ原のヤツ良いとこ突いてくるよな?
翔を餌になんて」

「実際どうなの?大野さん
翔ちゃんが入ったら入る?」

「ん〜、それなら入るかな」

「へぇ〜入るんだ?
イノッチに教えてあげよっと」

「いや!絶対やめて、雅紀!
俺、美術部なんてムリだから…」

「え〜、いいじゃん!
俺、櫻井画伯の絵好き〜」

「雅紀に好かれても嬉しくないよ」

「じゃあ俺は?俺に好かれたら嬉しい?」

「おー、聞くねぇ智」

「なに?おおちゃん、とうとう翔ちゃんに告白?」

「今更?大野さんが翔ちゃんを好きなことなんて井ノ原先生でさえ知ってるのに?」

もぉ、みんな好き勝手言ってんだから

智が俺に告白なんてあるわけないだろ…

そりゃね、智と俺は仲がいいよ?
高校に入ってからまだ半年しか経ってないけど
とにかく気が合うから
そう誤解されても仕方ないくらいずっと一緒にいる

放課後も智が絵を描くために学校に残っていれば、俺も残って読書したり…

智の笑顔もそうなんだけど
智自身が癒しのオーラを出してるから
傍にいるだけで気持ちが和むんだ…

落ち着いて本を読みたい俺にとってはもってこいの空間

みんなで馬鹿騒ぎをするのも好きだけど
智とふたりだけの穏やかな時間は至福の時。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ