take a breather
第6章 season
「1年前、ここで初めて翔を見たとき
桜の女神かと思った」
「は⁈何言って…」
女神って…俺が⁈
「俺もはじめは桜の木に惹かれて来たんだけど
ずっと桜を見上げてる人がいるのが見えて
あまりにも長い時間見上げてるからどんな人なのかなって興味が湧いたんだ
俺が近づいても気がつかないくらい魅入ってて…
その横顔がすっげぇ綺麗で…
しかもあの時、翔は薄ピンクのパーカー着てて
だから俺は桜の女神を見てるのかな、って…」
「そんなわけないだろっ!
大体俺男だしっ!」
「ん…それは流石にすぐにわかったよ
でも俺には桜と変わらないくらい綺麗に見えた…
名前まで『さくらい』なんて言うから名は体を表すんだな、って」
あの時智が言った『桜が似合う』はそういうこと?
「はい、出来た」
智が俺に差し出したスケッチブックを見て驚いた
「え…これ…」
桜を描いてるって言うから
てっきり桜の花を描いているのかとばかり思っていたのに…
なのにそこに描かれていたのは薄紅色の中に、斜め上を見上げる俺の横顔
「あの時見た翔の顔…
この桜と一緒に、ずっと俺の頭の中から離れないんだ」
そう言う智の顔は眉毛を下げ、困ったような表情をしていた。
桜の女神かと思った」
「は⁈何言って…」
女神って…俺が⁈
「俺もはじめは桜の木に惹かれて来たんだけど
ずっと桜を見上げてる人がいるのが見えて
あまりにも長い時間見上げてるからどんな人なのかなって興味が湧いたんだ
俺が近づいても気がつかないくらい魅入ってて…
その横顔がすっげぇ綺麗で…
しかもあの時、翔は薄ピンクのパーカー着てて
だから俺は桜の女神を見てるのかな、って…」
「そんなわけないだろっ!
大体俺男だしっ!」
「ん…それは流石にすぐにわかったよ
でも俺には桜と変わらないくらい綺麗に見えた…
名前まで『さくらい』なんて言うから名は体を表すんだな、って」
あの時智が言った『桜が似合う』はそういうこと?
「はい、出来た」
智が俺に差し出したスケッチブックを見て驚いた
「え…これ…」
桜を描いてるって言うから
てっきり桜の花を描いているのかとばかり思っていたのに…
なのにそこに描かれていたのは薄紅色の中に、斜め上を見上げる俺の横顔
「あの時見た翔の顔…
この桜と一緒に、ずっと俺の頭の中から離れないんだ」
そう言う智の顔は眉毛を下げ、困ったような表情をしていた。