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take a breather

第6章 season

「ねぇ、夏休み みんなでどこか行こうよ」

雅紀がそう言い出したのは夏休みに入る直前

「どこかってどこよ」

少し面倒くさそうなカズ

「キャンプとか?」

「えー!ぜーったいやだっ!」

カズはインドア派だしな

「俺もキャンプは無理かも…
虫とか出たらブチギレる」

潤にブチギレられるのは嫌だな

「キャンプじゃなくてもいいからどこか行こうよぉ
来年は受験生だから、泊まりがけで遊びに行けるのは今年だけだよ?」

「たしかになぁ…今のうちに遊んでおきたいってのはあるよなぁ」

「でしょ?さすが松潤、話がわかる」

「俺、山梨に行くけど…
みんなも一緒に行くか?」

「え?おおちゃん、何しに行くの?」

「絵を描きに…
山梨の湖畔に叔父さんの別荘があって、昔はよく家族で行ってたんだ
んで、今年は自然の風景画を描きたいから貸してくれってお願いした」

「それって俺たちも行って大丈夫なの?」

「俺ひとりだし、部屋ならあるよ」

「でも邪魔になるんじゃないの?
大野さん、絵を描きに行くんでしょ?」

「そうだけど、みんなは1泊か2泊くらいでいいんだろ?
俺は長めに滞在するつもりだから、みんなが都合のいい時に遊びに来れば?」

「あ、なるほどね
2、3日ならそれほど智の邪魔にはならないか」

「うん、全然大丈夫」

「いい話じゃん!行こうよ、みんな!」

「俺はいいよ、キャンプじゃなければ虫も寄って来ないだろうし
別荘なんてお洒落じゃん」

「俺もいいけど?湖畔なら涼しそうだしね」

「翔ちゃんは?行ける?」

「野暮なこと聞くなよ、雅紀」

「翔ちゃんが行かないわけないでしょ」

「あ、そっか…じゃあ決定だね!
よろしく、おおちゃん!」

俺が何も言わないうちに決まってしまった…

ま、いっか…夏休み 智と一緒に過ごせるなら。

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