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take a breather

第6章 season

智の詳しいスケジュールを聞くと
夏休みに入ってすぐに山梨に行って、2週間ほど滞在
そのあとは叔父さんたちが別荘を使うらしい

「じゃあさ、智がこっちに戻る3日前に行って一緒に帰ってくるってのはどう?」

「ん、俺はそれでいいよ
まとめて描く時間があったほうがいいし」

「あとはどこで遊ぶかだな」

「ハードなスケジュールはやだよ?」

「楽しみだねぇ」

5人で遊ぶことはあったけど、泊まりは初めて
高校生活のいい想い出が出来るといいな…


その日の放課後…

いつものように絵を描く智の横で読書をしていると…

「なぁ、翔…」

「ん〜?」

智に呼ばれ本から視線をあげた

「夏休みさ…なんか用あるの?」

「今のところ特には…
お盆にじいちゃんのところに行くくらいかな」

「…ならさ、あの3人より少し早めに来ない?山梨」

少し躊躇い気味に聞かれた

「早めに?」

時間?…なわけないか
少し早めに出ても意味はないもんね

「そう…2日くらい前に来れない?」

「でも邪魔じゃない?
ゆっくり描きたいでしょ?」

「いつも一緒にいるだろ?
翔が邪魔に感じたことなんて一度もないよ」

あ…そっか…今と同じ状況ってことだよな

「智が大丈夫ならいいけど…」

「俺は大丈夫だよ
なんならずっと居て欲しいけど
子供だけで2週間生活するのは翔の親が心配するだろ?」

「うん、たぶん…人様の家に2週間もいるのは反対されると思う」

「だと思ったからあいつらも誘ったんだ
みんなと一緒なら親もオッケーするだろ?」

「え?それでみんなのこと誘ったの?」

「それでって事でもないんだけど
翔のことは最初から誘うつもりでいたからさ
みんなとなら来やすいかな、って」

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