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take a breather

第6章 season

山林の中にひっそりと建つ別荘

智の話では少し歩くと湖があるらしい

「静かでいいところだね」

「あぁ、絵を描くには最高の場所だよ
景色もいいし、朝なんかだと空気まで旨く感じる」

「へぇ…」

相当気に入ってる場所なんだ
ひとりで2週間も滞在するくらいだし

玄関を入り、中を案内された

一階は広めのリビングとキッチン、あとは風呂場とトイレがあるくらい

荷物を持って二階へ上がる

「部屋は主寝室と他に二部屋…」

一部屋ずつドアを開けて中を覗く

二部屋ともベッドが二台置いてあった

「俺は主寝室使ってるんだけど、翔もそこでいい?
あとから来る三人に他の部屋を使って貰おうかと思って…」

智が最後の主寝室のドアを開けた

「俺は寝られるならどこでも…」

『いい』と言おうとしたけど

その部屋だけ他の部屋とは違いベッドが一台だけ、しかもデカい…

え…と…これは…所謂、ダブルベッド?

智と一緒の部屋って事は、ここに一緒に寝ろ…と?

男同士で⁈

でも俺たちは恋人同士なわけで…

「翔が決めて?どこで寝るか…」

真剣な表情でまっすぐに俺を見つめる智

それって、つまりそういう事だよね…

その時その時、思うがままに行動する人かと思いきや
意外と策士なところもあるんだ…

俺だけ早く呼んだのはそういう事でしょ?

「ここで大丈夫だよ」

智になら俺の全部あげるよ

「いいの?」

「なに今更…自分から誘っといて」

「いや、だっていつも強引じゃね?俺…」

「そこも含め智だろ?
それに今回は決定権は俺にくれたし…
だから、いいよ」

そう言って微笑むと智は照れ臭そうに笑った

「そっか…ありがと…」

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