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take a breather

第6章 season

風呂に入って寝室に行くと、先に風呂から上がった智がベッドの上でスケッチブック片手に絵を描いていた

「まだ描き足りないの?」

今日は俺が来ちゃったから全く描けなかったもんな

「ん、これは今日の分だから」

「今日の分?」

ベッドの横に立ちスケッチブックを覗いた

そこに描かれていたのは俺…

「まだ続けてたの?俺の絵」

「勿論。これは日記みたいなもんだから
この時翔はこんな顔してたな、とか
あの時の翔はこうだったな、とか…」

「その絵見て思い出せるの?」

「大体はね
流石に毎日描いてるわけじゃないから
イベント事とか、特に印象に残った表情した時に描いてるし」

「そうなんだ…」

印象に残った表情って…俺、どんな顔してたんだろ

智がスケッチブックを閉じサイドボードの上に置いた

微笑みを浮かべ俺に向かって両手を広げる

俺はベッドに上がり、智の前にゆっくりと進んだ

智の前に座るとその両腕が俺をしっかりと抱きしめた

久しぶりに感じる智の体温…

智の背中に腕を回し、俺もしっかりと抱きしめた

「翔…好きだよ」

耳元で聴こえる智の声はいつもより熱を含んでて
俺の体を熱くさせる

「うん…俺も…」

だから…俺の全部受け取って…

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