take a breather
第6章 season
「翔…」
智の手が俺に向かって伸びてくる
その手が俺に触れる前に
俺は椅子から立ち上がった
「ごめん…塾、行かなきゃ…」
机に置いてある鞄を掴み教室を飛び出した
「翔!」
智が俺を呼んだのに…
俺は振り返ることも出来なかった
そして、智が俺を追ってくることもなかった…
なんでだよ…
俺だけだって言ってくれたのに…
家に帰ると部屋から出ることが出来なかった
何をしていいのかもわからない
体調がすぐれないからと食事も摂らず
ただ布団の中で丸まって涙を零すだけ
考える事を放棄して眠りに就きたいのに
頭の中から智が出て行かない
結局一晩中泣き続けた
翌朝、布団から出ることが出来ず、学校を休むことに…
「本当にひとりで大丈夫?」
「熱があるわけじゃないから大丈夫だよ」
母さんは出かける間際まで心配していたが
なんとか納得させ仕事に行って貰った
こんな理由で親に迷惑は掛けられない
夕べ一睡も出来なかっただけに
流石に眠気が襲ってくる
目が覚めた時には夕方近くになっていた
寝たことによって気持ちが少し落ち着いたのか
冷静に智の事を考えられるようになった
智が俺よりも絵を選ぶのは当たり前…
俺と智は将来の約束なんか何もしてないし
そもそも結婚だって出来ないんだ
それに比べて智にとっての絵は
一生の付き合いになるもの…
俺なんかより絵の方が大切に決まってる
比べる時点で間違ってたんだ。
智の手が俺に向かって伸びてくる
その手が俺に触れる前に
俺は椅子から立ち上がった
「ごめん…塾、行かなきゃ…」
机に置いてある鞄を掴み教室を飛び出した
「翔!」
智が俺を呼んだのに…
俺は振り返ることも出来なかった
そして、智が俺を追ってくることもなかった…
なんでだよ…
俺だけだって言ってくれたのに…
家に帰ると部屋から出ることが出来なかった
何をしていいのかもわからない
体調がすぐれないからと食事も摂らず
ただ布団の中で丸まって涙を零すだけ
考える事を放棄して眠りに就きたいのに
頭の中から智が出て行かない
結局一晩中泣き続けた
翌朝、布団から出ることが出来ず、学校を休むことに…
「本当にひとりで大丈夫?」
「熱があるわけじゃないから大丈夫だよ」
母さんは出かける間際まで心配していたが
なんとか納得させ仕事に行って貰った
こんな理由で親に迷惑は掛けられない
夕べ一睡も出来なかっただけに
流石に眠気が襲ってくる
目が覚めた時には夕方近くになっていた
寝たことによって気持ちが少し落ち着いたのか
冷静に智の事を考えられるようになった
智が俺よりも絵を選ぶのは当たり前…
俺と智は将来の約束なんか何もしてないし
そもそも結婚だって出来ないんだ
それに比べて智にとっての絵は
一生の付き合いになるもの…
俺なんかより絵の方が大切に決まってる
比べる時点で間違ってたんだ。