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take a breather

第6章 season

学校に着いたのは4時過ぎ

みんなとの待ち合わせは6時だから時間的にはかなりの余裕

思ったよりも桜は満開に近い状態だった

「年々早まってないか?桜の開花時期…」

まだ3月の末なのに…

でも4年前も早かったのか
最後に智と見た桜も満開だった

こんなに見事に咲いてるのにな…

外見的には大丈夫でも、内側が相当傷んできてると聞いた

生きているものには全て寿命がある
いつか終わりが来るのは自然の摂理

「お前と一緒に、俺の想いも終わりにするよ…」

大きな桜の木の幹に両手をつき、額を当てた
俺の想いをこの木に移すかのように…

智との思い出を思い返しているとなんだか恨み事を言いたくなった

智から告白してきたのに
勝手に俺から離れて行ってしまった

4年間一度も連絡はなかったし…
それに関しては俺からもしなかったけど

でも、俺がしなかったのは智に迷惑かけたくないからって思いでしなかっただけだし…

智からはしてきても良くない?

「ほんと勝手なヤツだったよな…
付き合う前にキスはするし
海外行きも決定してからの報告だし
連絡はよこさないし…
本当に俺のこと好きだった?」

「本当に好きだったよ
ってか、今でも好きだよ」

背後から聞こえた声に驚き
勢いよく振り返る

懐かしい声は聞き間違いじゃなかった…

4年前よりも少し大人びた智がスーツケース片手に立っていた。

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