take a breather
第7章 コイゴコロ
「あれ?大野さん、もうメシ終わったんですか?」
外へ出ようとする俺に声を掛けてきたのは相葉だった
「いや、まだこれから」
「え、だって食堂の方から歩いて来ましたよね?
もしかして混んでます?」
「ん、あ〜…まぁ…」
言葉を濁してかわそうとしたのに
「え〜、俺も今から行こうと思ったのに…
ま、いっか。大野さん、一緒にランチしましょ?」
「は?なんでお前と…」
「だって俺、まだこの辺の店知らないですもん
あまり時間もないし、連れてってください
お願いします!」
両手を合わせお願いされると断り辛い…
それにここで時間をロスはしたくないし
「わかったよ…でも他の奴に教えるなよ?」
「やったぁ、ありがとうございます!
大野さんの秘密の場所、誰にも言いません」
たまにひとりでメシを食いたい時に行く店
店は小さいけど、味は旨いし、料理の提供時間が早いから俺のお気に入り
でも俺の秘密の場所じゃないんだよな
あの店、実は松兄に教えて貰ったんだ
『会社の奴には教えるなよ?』なんて言って連れて行って貰ったのは、もう2年前か…
その頃は店を切り盛りしていたのはオヤジさんだったな
それからすぐにそのオヤジさんが体調を崩し
店を閉める、なんて話も出たけど
息子のニノが跡を継いだ…
元々一緒にやってたから味はちゃんと引き継がれてる
でも、ひとりでやっていくのはキツいんじゃないかと思っていたのに
アルバイトを雇うことなく店をやれてる
アルバイトを雇わない理由は
『無駄な出費はしたくないから
能無しに払うくらいならひとりでやるよ』
あいつメチャクチャ口悪いけど
それでも実際のところすげぇよなぁ…
外へ出ようとする俺に声を掛けてきたのは相葉だった
「いや、まだこれから」
「え、だって食堂の方から歩いて来ましたよね?
もしかして混んでます?」
「ん、あ〜…まぁ…」
言葉を濁してかわそうとしたのに
「え〜、俺も今から行こうと思ったのに…
ま、いっか。大野さん、一緒にランチしましょ?」
「は?なんでお前と…」
「だって俺、まだこの辺の店知らないですもん
あまり時間もないし、連れてってください
お願いします!」
両手を合わせお願いされると断り辛い…
それにここで時間をロスはしたくないし
「わかったよ…でも他の奴に教えるなよ?」
「やったぁ、ありがとうございます!
大野さんの秘密の場所、誰にも言いません」
たまにひとりでメシを食いたい時に行く店
店は小さいけど、味は旨いし、料理の提供時間が早いから俺のお気に入り
でも俺の秘密の場所じゃないんだよな
あの店、実は松兄に教えて貰ったんだ
『会社の奴には教えるなよ?』なんて言って連れて行って貰ったのは、もう2年前か…
その頃は店を切り盛りしていたのはオヤジさんだったな
それからすぐにそのオヤジさんが体調を崩し
店を閉める、なんて話も出たけど
息子のニノが跡を継いだ…
元々一緒にやってたから味はちゃんと引き継がれてる
でも、ひとりでやっていくのはキツいんじゃないかと思っていたのに
アルバイトを雇うことなく店をやれてる
アルバイトを雇わない理由は
『無駄な出費はしたくないから
能無しに払うくらいならひとりでやるよ』
あいつメチャクチャ口悪いけど
それでも実際のところすげぇよなぁ…