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take a breather

第7章 コイゴコロ

「好きって…初めて会ったんだよな?」

「はい。それが何か?
可愛い人に出逢って可愛いと思ったから好きになった
それだけのことですよね?」

確かにそれだけのことなんだけど…

「さっきも言ったけど、ニノは男だよ?
お前、男を恋愛対象に出来る人?」

「いいえ、初めてです
でも可愛いって瞬時に判断したんだから
これから先も可愛いに変わりはない
男だっていいんです
俺、自分の直感信じて生きてるんで」

自信たっぷりに言い切る相葉

「理解出来ませんよね?」

「いや…そんなことは…」

「気を遣わなくていいですよ?
昔から言われてましたから
『お前のやることはぶっ飛んでる』って
でも、いいんです
自分の気持ちに正直に生きたいだけなんで
人生に後悔を残したくない」

馬鹿なのか利口なのか…

でも、自分の信念みたいなものはしっかりと持ってるんだから
馬鹿ではないんだろうな

人生に後悔を残したくない、なんてこの年で考えるくらいだし
考え無しな奴等よりはずっとマシ…

「はい、お待ち」

目の前にオムライスがドンと置かれた

「わぁ、旨そう」

「旨そうじゃなくて、旨いの」

「あ、はい…すみません」

「良かったね、アンタ
このオムライス食わずに人生終わってたら後悔するところだったよ」

ニノが相葉に向かってニヤッと笑った

「俺たちの話聞いてた?」

「ん?人生に後悔残したくなっていうとこだけね?
なに?何か聞かれちゃマズイ話でもしてたの?」

「いやっ…
冷めないうちに食うぞ、相葉」

「はひ?」

相葉がスプーンをくわえてこちらを見た
もう先に食ってたか…

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