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take a breather

第7章 コイゴコロ

気がつくと櫻井は顔から首にかけて薄いピンクに染まり
瞳がうるうると潤んでいた

結構飲ませちゃったかな…

グラスも空になったし、今日はもう切り上げるか

「そろそろ帰るか」

「あ、はい…」

櫻井が返事をしたから立ち上がると
その後立ち上がった櫻井の体がフラッと揺れた

やっぱ酔ってるか…

「少し休んでから帰るか?」

「いえ、大丈夫です」

しっかりと受け答えは出来るから大丈夫か…
ひとりで歩くことも出来てるし

乗る電車を聞くと、同じ方面で櫻井の方が先に降りる
良かった…俺が先だと降りた後が心配

電車に乗ると櫻井の体の揺れが大きくなってくる
顔を見るとトロンとした瞳と閉じそうになる瞼…

寝ないように必死に耐えてるその様子
超可愛いんですけどっ!

そんな時、不意に電車が大きく揺れ
櫻井が俺の胸に飛び込んできた

アルコールの匂いとは別に
櫻井から香るいい香り…

「ごめんなさっ…」

急いで体を起こそうとする櫻井
その香りをまだ嗅いでいたくて思わず腰に腕を回した

「いいから、そのまま寄りかかっとけ…
ほんとは立ってるのしんどいんだろ?」

櫻井が俺の肩に頬を寄せて凭れかかってきた

う〜ん…しんどいのは俺の方かも

すぐ近くにある櫻井の顔…
薄く開いた唇から漏れる熱い息が首筋に掛かる

瞳を閉じているその表情が幸せそうに見えるのは気のせいか?

あぁ、この時間がずっと続けばいいのに…

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