テキストサイズ

take a breather

第7章 コイゴコロ

「中途半端じゃない〜⁈」

松兄がゆっくりと俺に向かって歩いてくる

「松岡さんっ」

櫻井も立ち上がって松兄の後を追う
追いついた櫻井は松兄の腕を掴み、引っ張ると松兄を見上げた

松兄は鬼の形相をしていたのに
櫻井を見ると優しく微笑んだ

「そんな心配しなくても大丈夫だよ、翔
智にいくつか質問するだけだから
その答えによっちゃ その後の責任は持たんがな」

そう言って俺に向き直った松兄…
その顔は笑っているのに見た瞬間 背筋が凍った

櫻井を引きずるようにして俺の前まで歩いて来ると、俺を見下ろす

「今朝、駅の改札出たとこで翔に会ってなぁ『智に可愛がって貰ってるか?』って聞いたんだよ
そしたらこいつ、一瞬で顔を真っ赤にしやがった

俺としてはそういう意味で聞いたんじゃないんだよ?
純粋に先輩後輩として可愛いがって貰ってるか聞いただけなんだ

なのにそんな反応するから
だから『智と何かあったのか?』って聞いたんだ

はじめはダンマリ決めこんでたんだけど
表情を見る限り何かあったのは明らかだったからな

何かおかしなことになってんじゃないかと思って問い詰めさせて貰った」

松兄に尋問されてダンマリ決め込むなんてムリだよなぁ…

ただでさえ、櫻井は松兄に可愛がって貰ってるんだから。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ