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take a breather

第7章 コイゴコロ

「どうぞ…」

櫻井が玄関のドアを開き中へ招き入れてくれる
何度も訪れたであろう岡田のあとに続き
少し緊張して足を踏み入れた

「全然変わってないなぁ」

部屋を見回し、しみじみと言う岡田

「そりゃ変わりませんよ
部屋の広さが変わらないんだから、物も増やせないし」

部屋はワンルーム
ローテーブルにテレビ、ローチェスト
それにフロアベッドが置かれているだけ

櫻井が言ってたように散らかってはなく
ちょこっと床に物が置かれているくらい

「すみません、すぐ片付けますね」

そう言ってその落ちてた物をささっと拾い集め片付け終了

「狭いですけど、適当に座ってください
大野さんは着替えた方が良いですよね?
俺のですみませんけど、着替えお貸ししますね」

「悪いな」

「いいえ…はい、これ」

ローチェストから出してくれた洋服を受け取った

「サンキュー」

荷物を置き
その場で着替えようとスーツを脱ぎ、ネクタイを緩めた

「あ、あのっ…」

慌てたように声を掛ける櫻井を見ると少し頬が紅い

「ん?どした?」

「あの…良ければ、風呂場…使ってください…」

男同士だけだから気にしてなかったんだけど
勧められたなら使った方がいいか

「んじゃ、借りるな」

貸して貰った服を持ち
風呂場に行って櫻井から渡されたTシャツとスエットに着替えた

少しブカっとする服たちに櫻井との体格差を知らされた…

風呂場から出ると櫻井が微笑みながら手を出した

「スラックス掛けときます」

「ありがとう」

抜いてあった上着とネクタイは既にハンガーに掛けられていた

「俺も着替えて来ちゃうんで
大野さんも先に飲んでてください」

テーブルの上には酒とツマミが用意されていた

仕事早っ!

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