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take a breather

第7章 コイゴコロ

「起きてもらっていいかな?おふたりさん」

なんだよ…折角いい気持ちで寝てるのに…
まだ寝足りねぇってぇの

てか、誰だこの声…聞き慣れない声だな
初めて聞く声ではないけど
イケ好かない声…

俺のすぐ隣でピクッと何かが動く

「んっ…准一さん?おはようございます」

お?今度は聞き慣れた可愛い声…

『准一さん』なんて呼ばずに『智さん』って呼んでくれよ…

目を閉じたまま、声の主に腕を伸ばし抱きしめた

「あっ!大野さん!」

慌ててんなぁ…可愛いヤツめ…

「おはよ…櫻井…」

ギュウギュウと抱きしめる俺の頭をポカンと衝撃が走った

「イテッ!」

「『イテッ!』じゃねぇよ!
起きろって言ってんだろ!」

痛みで頭が覚醒していく
目を開けると拳を握りしめた岡田が
俺たちを見下ろしていた

「あ…」

そういえば、こいつも泊まってたんだっけ

「はぁ〜…」

岡田が大きく溜息を吐く

「准一さん?」

櫻井が心配そうに呼び掛けると
岡田は苦笑いをした

「やっぱ…そういうことだよな…」

そう呟いた岡田の瞳は哀しそうに櫻井を見つめてた

「そういうって?」

「翔…お前 大野さんと付き合ってんだろ」

「えっ⁈なんで?」

『なんで』って言っても、この状況…
男同士が抱き合って寝てんだぞ?

しかも岡田は俺が櫻井に惚れてること気がついてんだ
疑うに決まってるだろ…

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