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take a breather

第7章 コイゴコロ

「なんか嫌な予感がしたんだよなぁ…昨日お前に会った瞬間
前にも増して可愛くなってて…
艶も出てきててさ
恋でもしてんのか?って…
ここに来てからも当たり前のように大野さんの隣に座るしさ」

櫻井が首を傾げる

「俺が恋することは良くない事なんですか?」

普通は悪い事じゃないさ…
でも櫻井に惚れてる岡田にとっては良くない事

岡田はふっと表情を緩めた

「俺な、アメリカに行くとき
どうしようか悩んでた事あんだよ…
結局その時は何もせずにアメリカに渡ったんだけどさ
今、その事メチャメチャ後悔してる」

「後悔?今からじゃ遅いんですか?
そのやり残した事をするの」

「どうだろ…お前次第だけど…」

「俺が関わってる事なんですか?」

櫻井が驚きの表情を見せる
俺にはわかるけどな…岡田のし残した事

こいつは櫻井に気持ちを告げずにアメリカに行った
なぜその時想いを伝えなかったのかはわからないが
今でも岡田は櫻井に惚れていて
櫻井会いたさにあの店に来た

偶然会えたことを岡田は喜んだんだろうけど
今となっては真逆の心境

可哀想だけど仕方がない…

俺は誰が相手だろうと櫻井を渡す気はないし
櫻井もそう望んでくれてると信じてる

「翔…」

「はい?」

「俺…お前のこと好きだ…
学生の頃から、ずっと…」

「俺も好きですよ?准一さんの事」

考えるまでもなく即答する櫻井

「ほんとお前は俺をヘコませる…」

岡田は再び苦笑した

「え?なんでですか?」

わかってないよな…

でもお前と岡田じゃ好きの意味が違うから…

軽く言われた『好き』という言葉は
ただの『友人』に向けられたもの

お前の鈍さは悩みのタネだったけど
今ほどお前の鈍さに感謝したことはない

もし、アメリカへ旅立つ前に櫻井が岡田の気持ちに気付いていたら

俺たち どうなってたのかな…

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