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take a breather

第8章 rolling days

櫻井さんとの同居生活を始める為に櫻井さんの新居に引っ越しをした

部屋の広さは今までとほぼ同じだけど
新築アパートのせいか部屋の雰囲気は全く別物

ロフトも付いてて、そこを俺のスペースとして与えてくれた

櫻井さんも一人暮らしを始めたばかりだからほとんど物がない

「部屋の片付け下手だからさ
収納が多い部屋にしたんだよね」

ニコニコと笑いながら俺の持ってきた洋服を一緒にクローゼットにしまってくれる

今、部屋に置かれているのは
部屋の端に畳まれてる2組の布団と
小さなテーブルとテレビだけ

「窮屈だけど その内広い部屋に引っ越すから
しばらくは我慢してね」

「ううん、元々狭い部屋に住んでたんだから十分だよ
俺は寝られる場所さえあれば大丈夫だから」

「そう?智くんがいいならいいんだけど…」

自分の事より他人優先なんだな

ここより広い部屋借りたら家賃払うのだって大変だろう
まだ中学生の俺にはバイトで稼ぐ事なんて出来ないし
少しでも出費を減らさなきゃ

「片付けも終わったしご飯食べに行こうか」

「いいよ 外になんて行かなくて、うちで食べよう?」

出費を減らさなきゃいけないと考えていた矢先に外食なんて…

「え?だって僕、料理出来ないから無理だよ」

「……はっ⁈櫻井さん一人暮らしなのに料理出来ないの⁈」

「うん…ダメ?」

不安そうな顔で俺を見る
ほんとこの人年上か?

「ダメって…訳でもないけど…」

毎食外食なんてしてたらお金なんていくらあっても足りないじゃん

「いいよ、俺が作るから買い物行こう?」

「えっ!智くん作れるの?」

「かあちゃんがいない時は自分で作ってたから」

「そうなんだ…凄いね!」

そんな大した事じゃないのに
キラッキラに輝く瞳で言われると照れるんですけど。

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