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take a breather

第8章 rolling days

肩に手を置かれ振り返ると クラスメートの丸山が立っていた

「おおちゃん、週番だよな?」

「ん、そうだけど?」

「理科の長野先生から伝言
次の授業で使う資料、職員室まで取りに来て、って」

「おう わかった…サンキュー」

最後の一切れの卵焼きを口に放り込み
弁当箱を片付ける

「じゃあ、俺行ってくるな」

「いってら」

「おつかれ〜」

ニノと相葉ちゃんに手を振られ教室を出た

職員室のドアの前に立ちノックする

「失礼します…」

お辞儀をして職員室に入り
長野先生の机に向かう

長野先生は不在の様だけど
デスクに座る翔さんとその横に立つ松本先生の姿が見えた

にこやかに笑顔を見せる松本先生に対し
少し困ったような表情を見せる翔さん

「いいじゃないですか一度くらい」

「だから…また今度って…」

何か誘われてるのか?

「それ、もう何度も聞いてますよ?
一度くらいディナーに付き合ってくれても良くないですか?
同僚なんですから」

俯いてしまった翔さん…本当に困ってるみたいだ

「櫻井先生」

翔さんの名を呼ぶと、ビクッとして顔を上げた
俺の姿を目にするとホッとした様子

「あ、大野くん…何?」

「長野先生知りませんか?
頼まれごとしたので来たんですけど」

「え、あれ?さっきまでいたのに…
頼まれごとって何?」

「次の授業で使う資料を取りに来ました」

「そっか…ちょっと待って…
すみません、松本先生」

翔さんは立ち上がると松本先生に軽く会釈をしてこちらに歩いてきた

翔さんの後ろでは軽く舌打ちをしながら自分の席に戻る松本先生の姿が見えた

「ありがとう智くん…助かった」

小声でそう言う翔さん
助けられて良かった…

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