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take a breather

第8章 rolling days

5時限目の理科が終わり
今日最後の授業は翔さんの英語

ガラッと教室のドアが開き 翔さんが入ってきた

「Stand up」

英語の授業は全て英語で進む
週番の俺は翔さん仕込みの発音で号令をかけた

翔さんと目が合うと少しだけ目で微笑んでくれる

「Hello everyone!」

うん、相変わらず綺麗な発音

「「「Hello Mr.Sakurai」」」

「sit-down」

みんなが椅子に座ると翔さんはクラス中を笑顔で見渡す

それだけで野郎どもの視線は翔さんに釘付け

「Let’s get started」

ニコッと笑うと教室の空気が和む
それに加え流暢な英語は耳触りが良く
翔さんの受け持つクラスは他の先生に比べテストの平均点が高い

俺も中一から翔さんにカテキョ並みに教わってるから
英語だけは得意科目になっていた
特にヒヤリングは正解率100%に近い

常に翔さんの英語を聞いていたから聞く力が自然と付いたみたいだ

クラスの授業は英語で翔さんが質問し生徒がそれに英語で答え
正解すると翔さんは『Good job!』と共に笑顔をくれる

翔さんの笑顔を一瞬でも独り占めしたくてみんな必死に答えてる内に英語の成績が上がってるって訳

もちろん翔さんの教え方も良いんだけどね

「That’s enough for today…
Do you have any question?」

翔さんの授業は最後にいつも質問の時間を取る

翔さんは口癖のように俺に言う
『わからない事をわからないままにしない、それが成績を上げる方法だよ?』

だからわからない事を聞く為の時間を設けてくれてるんだ。

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