テキストサイズ

take a breather

第8章 rolling days

「相葉ちゃんのはさ
答える必要もないと思ったから質問遮ったけど
松本先生の誘いは断って良かったの?
もし、かあちゃんの事 気にしてるならもういいからね?」

「もういいって…どういうこと?」

「だからさ、翔さんまだ若いんだし…
いつまでもかあちゃんの事想い続けなくてもいいってこと
相葉ちゃんに理想のタイプ聞かれて『強くて優しい人』って答えたじゃん
あれってまだかあちゃんの事好きでいてくれてるって事だろ?」

そう聞くと翔さんは表情を曇らせ視線を伏せた

「…とも子さんの事を言ったわけじゃないよ
ただ単に僕の好きなタイプを言っただけ…」

「そうなの?
翔さんの中でかあちゃんはもう過去の人になってる?」

「…ごめん」

申し訳なさそうな顔をする翔さん

もう3年も経ってんだ
しかも付き合ったのはたったの3日…
想いが薄れたって当然

「いや、それならその方が俺としては安心だから謝らなくていいよ
いつまでもかあちゃんに縛られて欲しくないからさ」

でもそうなると俺が翔さんに世話になってるのもおかしいよな…

「縛られてなんかない
今の生活はとも子さんがいたからこそのものだけど
その今の生活に僕は満足してる
さっきも言ったけど、智くんとの生活は僕にとってプライスレスなんだよ?」

「ありがと翔さん
俺も翔さんと暮らせて良かったと思ってるし
育てて貰って感謝もしてる
だからこそ翔さんには幸せになって欲しい…
翔さんすげぇモテるじゃん
『この人いいかも?』って想う人が現れたらさ、俺に遠慮なく食事とか行っていいからね?
翔さんの事だから
俺がひとりで飯食うの可哀想とか思って誘い断ってんだろ?」

「違うよっ、僕が行きたくないから行かないだけ」

翔さんは縋るような目で俺を見ると
ふるふると首を横に振った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ