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take a breather

第8章 rolling days

食器を片付け冷蔵庫からケーキの箱を取り出した

「翔さん、コーヒーでいい?」

「うん、ケーキがあるからブラックがいいな」

「了解、夜だから薄めに淹れるね」

「ありがと」

俺がコーヒーを淹れてる間に
テーブルでは翔さんが小皿の上にケーキを乗せている

淹れたコーヒーを持ってテーブルへ

「チョコレートケーキとチーズケーキかぁ」

「智くんどっちがいい?」

「チョコ」

「だよねぇ、はい」

翔さんが俺の前にチョコレートケーキを置いた

「翔さんもチーズケーキが良かったんだろ?」

「んふっ、バレた?」

翔さんさんがチーズケーキを口に入れ、満足そうな表情を浮かべる

「そりゃあ、翔さんの好きなものなら大体分かるから」

「僕も、智くんの好きなものなら全部わかるよ?」

「そう?
あ、このチョコケーキうんめぇ」

「そうだよ。
ひとくち頂戴?」

「俺が翔さん好きなこともわかってた?
はい、あーん」

フォークに一切れ刺して翔さんの口元へ

「それはわからなかったけど…
だって智くん言ってくれなかったし。
あーん…うん おいしっ」

「言っちゃダメだと思ってたからね。
だろ?」

「なんで?言ってくれれば良かったのに
そしたらもっと早く恋人になれたじゃん。
チーズケーキ食べる?」

「じゃあなんで翔さんは言ってくれなかったの?
翔さんも俺のこと好きでいてくれたんだろ?
うん、貰う」

「言っちゃダメだと思ってたから。
はい、あーん」

「ほら、翔さんだって同じじゃん。
あーん」

翔さんがチーズケーキを口に入れてくれた

「あ、そっか…じゃあ、昨日智くんが言ってくれたの聞き逃してたら いつまでも恋人になれなかったんだね。
おいし?」

「かもしれないね…
少なくとも俺は卒業するまで言うつもりなかったし。
うん、うまい」

ケーキを食べさせ合いながら会話をするのも恋人同士っぽくて楽しい

「卒業したら言ってくれるつもりだった?」

「ん〜、わかんね…
そん時の状況かな
翔さんに恋人がいたら流石に言えないよ」

「だったら卒業したら言って貰えたね」

「なんで言い切れんの?
これからも出会いなんていくらでもあんのに」

「新たな出会いがあっても智くんが僕の理想の人だもん
どんな人が現れたって智くん以外の人を好きになれない」

それ、結構な殺し文句…

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