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take a breather

第8章 rolling days

翔さんのおかげで煩悩と闘いながら課題をこなす事になった

ようやく闘いを終えた頃、翔さんが風呂から上がってきた

「あ〜良い湯だったぁ」

人の気などつゆ知らず呑気にタオルで髪を拭く翔さん

「智くん、課題終わったの?
だったらお風呂入っちゃえば?
まだお湯冷めてないと思うよ?」

「うん、そうする…」

疲れ切った俺は一刻も早く風呂に入って休みたかった

「なんか疲れてるけど、課題大変だったの?」

大変だったのは課題そのものじゃなくて、邪念を払う事…

「なかなか解けない問題があってね…
手こずっちゃったよ、はは…」

乾いた笑いが漏れる

「そう…言ってくれれば教えてあげたのに」

翔さんが教えてくれる?
翔さんに触れた時の感触…
触れた時の翔さんの反応…

確かに翔さんにしか答えは出せないけどさ
それを教えてくれって言ったら翔さんはどう答える?

『いいよ』?それとも『まだ早い』?

翔さんよりも10歳も下の俺はそれを聞くことさえ躊躇われるんだ

こういう時は年の差感じるよな…
俺がもっと大人だったら…

「智くん?」

「風呂、入ってくるね」

「あ、うん。いってらっしゃい」

もっと大人だったら、悩む事なく翔さんを求めるのに

恋愛の経験値がゼロの俺には とてつもなく難解な問題だよ

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