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take a breather

第8章 rolling days

浴室に入って頭からぬるめのシャワーを浴びる
滝行じゃないけど、少しでも頭を冷やしたかった

一度意識してしまった翔さんの素肌

若さ故か、そうそう簡単に消えてはくれない

さっきまでここに裸の翔さんがいたんだよな…
そう考えただけでも下半身が疼き始める

いかんいかんっ!
頭を振って更にお湯の温度を下げた

「冷たっ!」

ようやく邪念が流された俺は
急いで頭と体を洗い風呂から上がった

ここでゆっくりしていたら
また邪な想いが蘇ってしまいそうだから

そう思って部屋に戻ったのに…

「おかえり、智くん」

ニュース番組を観ていた翔さんが 振り返りニコッと笑って迎えてくれた

「た、だいま…」

いつもの様に2組並んで敷かれていた布団
ただいつもと違うのは その2組の布団がピタリとくっついていること…

「どうしたの、智くん?こっちおいでよ」

自分の布団の上に座る翔さん

「う、ん…」

あの、これは一体どういう…
そう聞きたくても聞けない

ただ単に傍で寝たいだけかもしれないし

昨夜だって一緒に寝てるんだ
今夜だって一緒に寝よう、ってことかも…

躊躇いがちに自分の布団に乗った

ニュースを見続けてる翔さん

先に寝てしまってもいいものか…
それとも終わるのを待つべきか…

悶々としているうちにニュースが終わった

翔さんがリモコンでテレビの電源を切った

「さ、寝ようか」

「うん…」

いつも通りの翔さん

やっぱり傍で寝たいだけなんだ

布団に潜り目を閉じる
するとすぐに頬っぺたをツンツンと突かれた

横を向き目を開くと翔さんのドアップが

「うおっ!ど、どうしたの?」

「どうしたのじゃないよ
おやすみのチュウは?」

「へ?」

「恋人になったんだよ?
普通おやすみのチュウくらいするでしょ?」

当然とばかりに言われても…

「そういうもんなの?」

「そういうもんなの!」

そういうもんなんだ…

違うとしても翔さんがそうだと言えば
この場合はそうなんだろう
俺としても夜寝る時は必ずキスが出来るわけだから嬉しい

「じゃあ…」

そう言うと翔さんは嬉しそうに目を閉じた

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