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take a breather

第8章 rolling days

緊張してるからなのか、興奮してるからなのか
情けないことにボタンが上手く外せない

そんな俺を見かねて翔さんの手が俺の手を包んでくれた

「慌てなくていいから」

優しく微笑んでくれる
それって『オッケー』ってことだよね?

それはそれで別の緊張が生まれてくるんだけど…

俺、女の人とも経験ないし…
男同士のエッチの仕方なんてもっとわからない

「大丈夫…そんな難しいことじゃないから
智くんは智くんのしたいようにして?
わからなければ教えてあげるから」

教えてあげるって、男同士のエッチの仕方を?

翔さん、そんな事まで知ってるの?
そんな俺の疑問が顔に出てたのか…

「ふふっ…僕ね 智くんの先輩なの」

「先輩って、あの高校の?」

「そうだよ?で、高校の時付き合ってた人 同じクラスのクラス委員だったんだ」

同じクラスって…あの学校 男子校…

「もしかして翔さん…男の人との経験あるの?」

「うん、ある…ってか、男の人としかしたことない
彼とは大学の2年の時に別れて
その後好きになったのがとも子さんだったんだけど
とも子さんとはまだそういう関係になってなかったから」

翔さんから聞いた意外な事実

かあちゃんと付き合うくらいだから
翔さんは女性が好きなんだとばかり思ってた…

でも、どちらでも大丈夫な人だったんだ

「智くん、引いた?」

「え?なんで?」

「僕が男の人と付き合ってたから」

「そんな事で引くわけないじゃん
俺だって翔さんと付き合ってんだよ?」

「そっか…よかった…」

「それにね、ちょっと安心した」

「安心?」

「翔さんが教えてくれるんだろ?エッチの仕方…
俺、何にも知らないから
手取り足取りちゃんと教えてよ?櫻井センセ」

ニコッと笑うと翔さんもニコッと笑った

「ふふっ、優秀そうだから教え甲斐があるな
期待してるよ?大野クン」

翔さんの両手が首にかかり、引き寄せられた。

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