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take a breather

第9章 Calling

ペットショップの買い物だけで結構な荷物になった

店員さんに言われるがまま買い揃えたけど
動物飼うって準備が大変なんだな…

ふたりじゃなかったら荷物も持ちきれない

ニノの店までは歩きで帰るとして
そこからはタクシーを使った方が良さそうだ

翔の家に寄って更に荷物も増えるだろうし

「ただいま」

「あ、おかえりなさいっ」

相葉が店の中を忙しそうに動き回っている

土曜の昼下がり、店が一番混雑する時間

「何か手伝おうか?」

カウンターの中のニノに声を掛ける

「じゃあ大野さんは洗い物してくれる?」

「OK」

「櫻井さんは猫ちゃんのところに行ってあげて?
裏の部屋に移動させたんだけど寂しそうに鳴いてるから
そろそろミルクの時間かも」

「あ、ほんとだ…3時間経ってますね」

「こっちから裏の部屋に行けるから」

ニノが顎で厨房の先にあるドアを指した

「わかりました」

翔が俺の方を振り返る

「大野さん、荷物預かりますね」

「ん、頼む」

買い物袋を翔に手渡した

「じゃあ、いってきます」

翔が部屋に続くドアへと入っていった

そのあとも店の客はなかなか引かず
こんなに大変ならバイト雇えよ…と内心思いながら
相葉とふたりこき使われた

途中厨房に顔を出した翔が『手伝いますか?』とニノに聞いたが
ニノは『ふたりがよく働いてくれてるから大丈夫、猫ちゃん見ててあげて』と笑顔で断った

ニノのヤツ…扱いがだいぶ違くないか?

翔も相葉とは違った意味でニノのお気に入りになったらしい。

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