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take a breather

第9章 Calling

翔が再び眠りに就いてしばらくすると
今度はブルーが動き出した

こちらは翔と違って目覚めと共に元気いっぱい

トコトコと俺たちの寝てる所まで歩いて来る

「みゃあ」

「おはよ ブルー
腹減ったのか?」

「みぃ」

「わかったよ 今ミルク用意するから
少し待ってろ」

翔を起こさないように俺の背中に回っている翔の腕をそっとよけ 起き上がった

ブルーをここに置いといたら翔にちょっかい出して起こしそうだな…

「ブルー お前も来い」

「みぃ」

ブルーを抱き上げキッチンへ向かう

「すぐ出来るから大人しく待ってろよ」

床にブルーを降ろすと俺の脚に擦り寄ってきた

「ふふっ…擽ったいよ…」

今度はペロペロと足の甲を舐める

「ははっ、やめろって…」

「…ずるい」

「えっ?」

突然の声に振り向けば
キッチンの入口にまだ眠そうな表情をしている翔がいた

「あ…起きたのか?」

「大野さんがいなくなるから…」

「え?」

「大野さんがいなくなったから
驚いて目が覚めちゃいました」

なんだか少しご機嫌斜め?
ちょっと不貞腐れてるような…

「あ、ごめん…
まだ寝かしておいてやろうかと思って」

「しかもブルーと楽しそうにしてるし…」

「楽しそうって…ただ擽ったくて笑っちゃっただけだよ」

「昨夜は俺にダメって言ったくせに…」

「何を?」

「『俺以外に舐められて気持ちいいって言っちゃダメだろ』って」

「あ…」

だから不貞腐れてんの?
俺がブルーに舐められて笑ってたから?

だとしたら可愛すぎない?
それってヤキモチだよね?

俺もヤキモチ妬いたけどさ
翔もヤキモチ妬いてくれるの?

翔の前に立ちそっと抱きしめた
翔の腕も俺の背中に回る

「ごめんな、ひとりきりにして…」

謝りながら朝の挨拶に軽くキスをする
翔は嬉しそうに微笑み また目を閉じる

今度は何度も啄むようにキスをする
少し開いた唇に舌を差し込こもうとした瞬間…

「みゃあ」

足元で鳴くブルー

ミルクが先、ですよね…

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