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take a breather

第9章 Calling

「まぁブルーは無事だったんだから
気にしなくていいぞ
そもそもこっちが無理言って面倒見てもらってるんだし」

「無理じゃないよ
俺から申し出たんだから
これからはもっと気をつける」

「ん、悪い…
もうしばらくの間 頼むな?」

カウンターに置かれたトレーを持ち立ち上がる

「うん。任せといてよ」

ニノの返事を聞いた俺は奥の部屋に向かった

『翔ちゃ〜んっ』

『あっ!ちょっと雅紀!』

ドアの向こうから聞こえる翔の焦った声

相葉がいるのか?
そういえばアイツいなくなってたかも…

ドアを開けると翔の上に覆いかぶさってる相葉の姿

「おまっ!何してんだよ!」

テーブルにトレーを置いて
急いで相葉を翔から引き離した

「あ、大野さん」

「『あ、大野さん』じゃねぇだろ!
お前なんで翔のこと押し倒してんだよ!」

「押し倒すって…
ちょっと抱きついたら翔ちゃんが倒れちゃっただけですよ」

事もなげに言うけど俺にしてみればおおごとなんだよっ

「なんで抱きつく必要があるんだよ!」

「だってカズさんがぁ…」

唇を尖らせ不貞腐れる相葉
さっきのふたりのせいか…

「俺がなんだって?」

ドアの所にスプーンを持つニノが立っていた
いつからいたんだ?

「はい、大野さん
スプーン乗せるの忘れてた」

ニノがスプーンをテーブルに置くとそのまま部屋を出て行こうとする

「あっ!カズさん待って!」

「なに?」

明らかに不機嫌そうなニノ

「あの…」

「聞きたいことあるなら最初から俺に直接聞けばいいだろ
なんで櫻井さんに甘えてんだよっ」

「だって…」

「お前のいい所は馬鹿みたいに体当たりで来る所だろうが…」

言ってる事はキツいけど
言ってるニノが悔しそうというか、悲しそうに見えた

きっと 相葉がニノ本人に直接言わず
翔に泣きついたことが悔しいんだろうなぁ…

なんかその気持ちはわかる…

好きな人に疑われたのは悲しいし
ましてやそれが原因で他の誰かに抱きつくなんて悔しい

「俺、仕事に戻るから」

ニノがその場を離れると慌てて立ち上がる相葉

「カズさんっ」

相葉の呼びかけには応えずニノはその場を立ち去った

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