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take a breather

第10章 Lotus

「あの、カズさん…ありがとうございました」

「ん?」

カズさんがビールジョッキに口を付けて首を傾げる

「えと…俺たちが上手くいったの
カズさんのおかげかなぁ、って」

「あ〜、うん…
そうかもしれないけど 俺は最後の一押ししただけだから
仕掛け人はこの人…」

苦笑いしたカズさんが指差したのは隣に座る相葉さん

「え?」

「大野さんと翔ちゃん出会わせたの この人でしょ?」

そういえばそうか…でも それってたまたまなんじゃないの?

「俺もビックリしたよ
いきなり翔ちゃんが店に姿見せた時は…
後から相葉ちゃんに電話したら やっぱりわざとだったって言うし」

わざと?トラブったって言ってたのは嘘ってこと?

「そうだったんですか?」

「うん!おおちゃんがさぁ ずっと『翔ちゃん翔ちゃん』騒ぐから
実物に会わせちゃえって 送り込んだ」

「事前に連絡してくれたら良かったのに」

「え〜、それじゃあ面白くないじゃん」

相葉さん…俺たちのこと 楽しんでたんだ…

「まぁ はじめて会った瞬間は夢かと思うくらい嬉しかったけど」

「それに必要なことは事前に教えてあげたでしょ?」

「お〜 アレは助かったよ
はじめて同士だかんな 事前の知識がなかったら翔ちゃんに辛い思いさせるところだった
ほんとありがとな 相葉ちゃん」

アレってまさか…

「あんた 大野さんに なに教えたの?
すごい感謝されてるけど」

「ん?もちろんエッチの仕方」

「……」

やっぱり…

はじめてって言う割には手際がいいし
ローションもゴムも用意してあって
元カノにでも使ってたのかとも思ったけど 両方とも新品だったもんな…

俺の知らないところで ホント相葉さんには色々とお世話になってたんだ

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