take a breather
第11章 君のうた
翔は成長するにつれ、益々可愛く育っていった
高校に入学してからは、学校のアイドル的存在に…
「あ〜、翔くーんっ」
「いや〜ん、かわいい〜」
「おはよー、翔くん〜」
毎日 登校時の恒例行事…
校舎の前を歩く翔に教室の窓から女生徒たちの黄色い歓声が飛ぶ
翔は立ち止まり、恥ずかしそうにペコっと頭を下げる
毎朝毎朝、ホント飽きねぇなぁ…
そういう俺も、翔に飽きるなんてことないんだけど
なかなか止まぬ翔への掛け声…
「ほら、もう行くぞ
イチイチ応えてたら遅刻しちまう」
翔の肩に手を回し、歩き出した
「「「きゃーっ!!」」」
一際大きな悲鳴?
なんだなんだ?
「ごめんね、さと兄」
「お前が謝ることじゃねぇけどさ…
ほんと女のパワーって、すげぇよなぁ」
「うん…ちょっと怖い時ある…」
「怖い?」
「あ…うん。先輩たちにね、呼び出されることがあるんだ…
3、4人に囲まれて、あの調子で話されると ちょっと怖い…」
「え⁈呼び出しなんてされてんの?」
「う、ん…昼休みとか…屋上に呼ばれて
『写真撮らせて』とか言われるんだ…」
「断れ…ないか…」
「…うん」
先輩だもんな…
中学の頃は小柄だった翔…
最近になって、身長が伸びはじめたけど
それでも 大人数で来られたら、圧倒されて『嫌だ』なんて言えないだろうな…
「弁当はちゃんと食えてる?」
「うん。友達と食べてるんだけど
先輩から呼ばれると誰も何も言えないから…」
「じゃあさ、捕まる前に教室から出ちゃえよ」
「でも…どこに行ったらいいのか…」
「俺のとこ来れば?」
「さと兄のとこ?」
「うん。俺たち音楽室で食べてんだ」
「知ってる…昼休みもバンドの練習してるんでしょ?
さと兄の歌声、聴こえてくるもん」
「え⁈マジで?」
去年、友達と4人で立ち上げた軽音同好会…
メンバー4人の名前のアルファベットの頭文字を組み合わせ『Mona』という名のバンドを組んだ
今は、生徒数の減少で使われなくなった第2音楽室を、活動場所として使わせて貰ってる
「うん!『あ〜、さと兄の声だぁ』っていつも聴いてるよ?」
翔が嬉しそうに笑う
マジ、可愛い…
高校に入学してからは、学校のアイドル的存在に…
「あ〜、翔くーんっ」
「いや〜ん、かわいい〜」
「おはよー、翔くん〜」
毎日 登校時の恒例行事…
校舎の前を歩く翔に教室の窓から女生徒たちの黄色い歓声が飛ぶ
翔は立ち止まり、恥ずかしそうにペコっと頭を下げる
毎朝毎朝、ホント飽きねぇなぁ…
そういう俺も、翔に飽きるなんてことないんだけど
なかなか止まぬ翔への掛け声…
「ほら、もう行くぞ
イチイチ応えてたら遅刻しちまう」
翔の肩に手を回し、歩き出した
「「「きゃーっ!!」」」
一際大きな悲鳴?
なんだなんだ?
「ごめんね、さと兄」
「お前が謝ることじゃねぇけどさ…
ほんと女のパワーって、すげぇよなぁ」
「うん…ちょっと怖い時ある…」
「怖い?」
「あ…うん。先輩たちにね、呼び出されることがあるんだ…
3、4人に囲まれて、あの調子で話されると ちょっと怖い…」
「え⁈呼び出しなんてされてんの?」
「う、ん…昼休みとか…屋上に呼ばれて
『写真撮らせて』とか言われるんだ…」
「断れ…ないか…」
「…うん」
先輩だもんな…
中学の頃は小柄だった翔…
最近になって、身長が伸びはじめたけど
それでも 大人数で来られたら、圧倒されて『嫌だ』なんて言えないだろうな…
「弁当はちゃんと食えてる?」
「うん。友達と食べてるんだけど
先輩から呼ばれると誰も何も言えないから…」
「じゃあさ、捕まる前に教室から出ちゃえよ」
「でも…どこに行ったらいいのか…」
「俺のとこ来れば?」
「さと兄のとこ?」
「うん。俺たち音楽室で食べてんだ」
「知ってる…昼休みもバンドの練習してるんでしょ?
さと兄の歌声、聴こえてくるもん」
「え⁈マジで?」
去年、友達と4人で立ち上げた軽音同好会…
メンバー4人の名前のアルファベットの頭文字を組み合わせ『Mona』という名のバンドを組んだ
今は、生徒数の減少で使われなくなった第2音楽室を、活動場所として使わせて貰ってる
「うん!『あ〜、さと兄の声だぁ』っていつも聴いてるよ?」
翔が嬉しそうに笑う
マジ、可愛い…