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take a breather

第11章 君のうた

「じゃあ、昼休みな」

「うんっ」

翔と昼休みの約束をして階段で別れた

2年生の俺は2階の教室、1年生の翔は1階の教室
そして先程まで黄色い歓声を上げていた3年生の先輩方は3階の教室

これが逆だったら先輩たちに捕まって
翔は毎日遅刻だったかもしれないな…


「おはよ〜 おおちゃん」

教室に入るとクラスメイト兼バンドメンバーの相葉ちゃんが笑顔で迎えてくれる

「はよ」

「相変わらず凄い人気だな、大野ブラザーズ」

こちらも同じくクラスメイト兼バンドメンバーの松潤

「大野ブラザーズじゃなくて、翔の人気だろ?」

「あれ?わかってないんだ?
翔ちゃんだけじゃなくて智のファンもいるのに」

クラスメイト兼バンドメンバー 最後の一人…ニノ

「俺のファン?そんなのいるわけないだろ…」

翔みたいに可愛いならわかるけど
俺と翔は見た目だけなら似ても似つかない兄弟…

「去年の学祭から智ファン 結構いるんだよ?」

「学祭から?」

「そう…智の歌声に惚れた人たちがね?」

「まさか…」

そんな大したもんじゃねぇだろ…俺の歌声なんて

「なんで『まさか』?
俺たちだって智の歌声に惚れこんでバンド組んでるんだぞ?」

「え…そうだったの?
俺、楽器が出来ないからボーカルなんだと思ってた」

「ははっ、違うよおおちゃん
カラオケでおおちゃんの歌を聴いて 俺たちバンドやろうってなったんだよ?」

「マジか…知らなかった…」

「実に智らしいけどな」

苦笑いする松潤

「今年になって 翔ちゃんが入学してきたでしょ?
だからお姉さま方たちはふたりの事を『プリンスとナイト』って呼んでるんだよ」

ニノがニヤニヤしながら教えてくれた

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