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take a breather

第11章 君のうた

「プリンスとナイト?なんだそりゃ?」

「王子様と騎士…そのまんまの意味だよ」

「騎士の智の守りが固くて
女子たちが翔王子に近寄れないってね」

そりゃあさ、子供の頃から翔を守るのは俺の役目だった

でも それを呼び名にされるとは思ってもみなかった

「女子の凄さはそれを楽しめるところだよな」

「さっきも智が翔ちゃんの肩抱いたらスッゴイ悲鳴がしたもんね」

「え?あれってそれが原因なの?」

なぜ俺が翔の肩に手を回したくらいで悲鳴が上がる?

「そうだよ。今流行りのBLってヤツ」

「なんだそれ?」

「ボーイズラブの略でBL」

「ボ、ボーイズラブ⁈誰がっ⁈」

「智と翔ちゃんに決まってるじゃん」

「なに馬鹿なこと言ってんだよ!
俺たち兄弟だぞ?」

「んな事わかってるよ…
それでもお姉さま方はふたりを見て『キャーキャー』言いたいんでしょ?」

…よくわからんが 女というのはそういう生き物なのか…

それにしても俺と翔がボーイズラブだなんて…
ありえねぇっつうの…

大体 俺の好みは色白で目が大きくて肌がスベスベで…

…それって全部 翔に当てはまるじゃねぇか

イヤイヤ…そんなことあるわけがない
たまたまだよ、たまたま…

たまたま俺の好みが翔に当てはまっただけ

決して翔が俺の好みなわけじゃない
俺が弟に恋するなんてありえねぇ…

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