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take a breather

第11章 君のうた

昼休み…

音楽室に4人でいると『コンコン』とドアがノックされた

ドアを開けると恥ずかしそうに笑う翔が立っていた

「来ちゃった」

「おう、入れよ」

翔の肩に腕を回し教室の中に招き入れる

「あ、翔ちゃん いらっしゃ〜い」

「お?来たな 翔くん」

「待ってたよ 翔ちゃん」

「お邪魔します…」

3人に向かってペコっと頭を下げる

「堅い挨拶は抜き抜き
ほら、こっちおいでよ」

相葉ちゃんが俺の椅子の隣に翔の分の椅子を用意してくれた

「ありがとうございます」

「出来た子だねぇ 智とは大違い」

ニノが優しい視線で翔を見る

「失礼だな…俺だって挨拶くらい出来るわ」

「挨拶は出来てもなぁ…なんだろ?立ち振る舞い?
翔くんってなんか おしとやかなんだよなぁ…」

「あー、わかるー!だからプリンスなんだろうね」

「プリンス?なんですか?それ?」

翔が小首を傾げて相葉ちゃんに質問した

「翔ちゃんとおおちゃんって3年の先輩たちから『プリンスとナイト』って言われてんだよ?
知らなかった?」

「しっ、知りませんっ!そんなの…」

「ははっ そっか、だよねぇ」

「でも 上手いこと言ったよな、先輩たち」

「ほんと…1歳しか年の変わらない弟をこんなに溺愛するなんて普通の兄弟じゃありえないよねぇ」

「俺も弟いるけどさぁ…喧嘩しかしないもん
弟を守ろうなんて考えたこともない」

「え?そういうもんなの?
俺、小さい頃から翔のこと守るのは自分の役目だと思ってたから
これが普通なのかと…」

「違う違う!弟なんてクソ生意気で全く可愛くないんだから!
翔ちゃんが可愛いから おおちゃんも守ってあげたくなっちゃうんじゃない?」

可愛くない翔?想像出来ない…

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