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take a breather

第1章 Now or Never

「お客様?」

小首を傾げるその仕草に、益々胸の鼓動が高まる。

「あの…お客様で、いいんです、よね?」

彼の顔を見つめたまま、微動だに出来なかった俺。
彼の問い掛けに慌てて答えた。

「あ、はいっ!お客様です!正真正銘、れっきとしたお客様ですっ」

彼は一瞬目を見開いた。

「ぷはっ」

いきなり噴き出した彼。

「へっ?…」

何事かと驚いて思わず変な声が出てしまった。

「ごめんなさい。急に話し出したかと思ったら、真面目な顔して『正真正銘のお客様』なんて言うから…可笑しくて…ふふっ」

「あ…」

そうだよな、自分で『お客様』なんて…
絶対変なヤツに思われた。
はぁ〜、やっちまったぁ。

彼だって悪いんだよ?
だってさ、こんな所にこんなステキな人がいると思いもしないじゃん。
イケメンなんだけど、可愛い?いや、綺麗?
クリッとした大きな目、紅くてふっくらとした唇。
そんな彼から目が離せなくなった。

「どうぞ中へ、お一人様でよろしいですか?」

「はい…」

優しく微笑む彼の後に、吸い寄せられるように付いて行った。

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