テキストサイズ

take a breather

第11章 君のうた

ニノのせいでまた考え事が増えた…

翔に相応しい人…

そりゃあ 可愛くて…
翔より可愛い人なんている訳ない…

賢くて…
翔は学年トップの成績だったな…

翔を引っ張ってくれる…
いや、尻にひかれたら大変だ…

いねぇじゃねぇか…
俺が思う翔に相応しい相手…

そうだよ!翔はそんじょそこらの人間には勿体ないんだ!

俺のお眼鏡にかなう奴なんて簡単に見つかる訳ない!

慌てて探さなくても
その内翔にピッタリな素敵な人が現れるさ


「遅くなっちゃったねぇ
翔ちゃん ひとりで待ってるかなぁ」

4時限目の授業が長引き
音楽室へ行くのが遅くなった

「だろうね…まさかの5分押し…
国分先生の話は面白いんだけど、長いのがねぇ…」

「だな…あれ?ピアノ?」

〜♪

「あぁ…翔だろ?あいつ去年まで習ってたから」

「これ『two』だ…
翔ちゃん よっぽどお気に入りなんだね、この曲」

はじめて聴くピアノで奏でられた『two』…
切なさがより伝わってくる…

「邪魔しないように 後ろのドアからそっと入ろう」

いつもは前のドアからの出入り…

ニノの提案で後ろに回り そっとドアを開けた

4人で足音を忍ばせ教室に入る

入ったその場で足を止め 翔の演奏を聴き続けた…

ピアノを演奏する翔の姿は
切なく美しい…

「なぁ 智…」

隣に立つ松潤が小さな…とても小さな声で話し掛けてきた

「なに?」

「俺…マジで翔くん狙っていい?」

「え…」

「こんな子…他にいないよ…」

翔を見つめ続ける松潤の眼差しは真剣そのもの…

わかってる…コイツはモテるけど 浮ついた奴じゃない

優しい奴だし、惚れた相手にならトコトン尽くしてくれるだろう…

それでも…翔の事を渡したくないと思ってしまう俺は

かなり重症なブラコンなんだ…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ