take a breather
第11章 君のうた
「あなた 翔がここに来た時のこと覚えてる?」
「まぁ、なんとなく?
可愛い子が弟になって嬉しかったのは覚えてる」
「そうね…あなた ずっと翔のこと『可愛い』って言ってたわね…
あなたね、ここで翔と会った時
翔の頬を撫でて『柔らかい』って言ったのよ?」
そうだった…はじめて触れた翔の頬は
すべすべで柔らかくて 凄く気持ち良かった…
「翔もね、同じように感じたんだって…
頬に触れた手が柔らかくて、優しくて、とても温かかったって…
ホッとしたのを覚えてる、って言ってたわ」
「本当に?そんなにしっかりと覚えてるもん?」
翔の言ってることを疑う訳じゃないけど
そんな些細な出来事を覚えているもんなのか?
「それだけ翔にとっては大きな出来事だったんでしょ?
それしか覚えてないって言ってたし
それに母さんもあの時は吃驚したもの…
ずっと泣いていた翔が目を覚ましたかと思ったら
あなたを見ていきなり笑ったんだから
きっと何か感じるものがあったのね」
翔は常に笑顔だった…
可愛い笑顔で俺を見てた
「あの笑顔見た時、翔を引き取って良かったって心から思えたわ
あの日から智は本当にいいお兄ちゃんでいてくれた
翔の心を救って育ててくれたのは智だって ずっと感謝してたのよ?」
そうだよ…ずっと傍で俺が翔を守って来た
今だって誰よりも傍で…
でも もうそろそろ…その役目は違う誰かに譲らなきゃいけないのかな…
いい年していつまでも兄貴が傍で守ってるなんておかしいよな
翔の幸せを願うなら
俺は翔と距離を置くべきなのかもしれない…
「まぁ、なんとなく?
可愛い子が弟になって嬉しかったのは覚えてる」
「そうね…あなた ずっと翔のこと『可愛い』って言ってたわね…
あなたね、ここで翔と会った時
翔の頬を撫でて『柔らかい』って言ったのよ?」
そうだった…はじめて触れた翔の頬は
すべすべで柔らかくて 凄く気持ち良かった…
「翔もね、同じように感じたんだって…
頬に触れた手が柔らかくて、優しくて、とても温かかったって…
ホッとしたのを覚えてる、って言ってたわ」
「本当に?そんなにしっかりと覚えてるもん?」
翔の言ってることを疑う訳じゃないけど
そんな些細な出来事を覚えているもんなのか?
「それだけ翔にとっては大きな出来事だったんでしょ?
それしか覚えてないって言ってたし
それに母さんもあの時は吃驚したもの…
ずっと泣いていた翔が目を覚ましたかと思ったら
あなたを見ていきなり笑ったんだから
きっと何か感じるものがあったのね」
翔は常に笑顔だった…
可愛い笑顔で俺を見てた
「あの笑顔見た時、翔を引き取って良かったって心から思えたわ
あの日から智は本当にいいお兄ちゃんでいてくれた
翔の心を救って育ててくれたのは智だって ずっと感謝してたのよ?」
そうだよ…ずっと傍で俺が翔を守って来た
今だって誰よりも傍で…
でも もうそろそろ…その役目は違う誰かに譲らなきゃいけないのかな…
いい年していつまでも兄貴が傍で守ってるなんておかしいよな
翔の幸せを願うなら
俺は翔と距離を置くべきなのかもしれない…