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take a breather

第11章 君のうた

練習が終わっての帰り道

俺とニノと相葉ちゃんが横並びに歩き
その後ろを歩く翔と松潤

少し距離をあけて歩いてるのは
翔とふたりきりの会話を楽しむ為に
松潤がわざとやってるんだろう…

弟離れをすると決めたのに
ふたりの会話が気になって聞き耳を立ててしまう

いつになったら本当の弟離れが出来るのやら…

「翔くんのクラスは文化祭 何やるの?」

「お化け屋敷です」

「王道だな。翔くんは驚かす係?」

「いえ…俺、暗いところがあまり得意じゃなくて…
どうしようか迷ってたら
みんなから『呼び込みやれ』って言われたんで そっちにしました」

昔から怖がりだもんな、翔のヤツ…
夜道だと絶対に俺と手を繋いで歩くんだ

「ん〜納得…翔くんを暗い所で使ったら勿体ないもんなぁ」

「勿体ない?なぜです?」

「翔くんが見えないから…
翔くんが受付にいれば
それだけで客が勝手に集まってくるよ」

「そ、そんなことないですっ
潤くんだって凄い人気あるじゃないですか」

「まぁそこそこね?」

「潤くんたちは喫茶店やるんですよね?」

「うん。翔くんも来て指名してね?」

「指名?喫茶店なのに?」

「ウチのクラスでやるのは
メイド喫茶ならぬホスト喫茶」

「ホスト喫茶?
いいんですか?そんなこと学祭でやって」

「高い料金 踏んだくる訳じゃないよ?
5分間のティータイムを一緒に過ごすだけ」

「なんだ…吃驚した…」

「それなりのメンツを揃えて客を集めようって考え…
だから前を歩く3人もホストな?」

「えっ⁈さと兄も?」

翔に出し物を聞かれたから喫茶店とは教えた…

でもホストをやる事は教えてなかった
俺がホストなんて恥ずかしいし…

「モチロン。あの3人も人気あるからね?
11時からステージでライブやって
そのあと クラスの出し物の当番に入ってるから
相当 指名が入るんじゃないかな?」

「…さと兄も…」

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