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take a breather

第11章 君のうた

「じゃあね…」

「おう」

「また明日〜」

3人との分かれ道…

先に歩いてた俺たちが挨拶をしてると 少し遅れてふたりが歩いてくる

「じゃあ 翔くん、また明日ね」

「はい…おやすみなさい」

3人に向かって頭を下げ挨拶をしてる翔…

その翔を待たずに歩き出した

「あっ、さと兄 待って…」

翔の呼び掛けに応えず歩みを進めた

翔が駆けてくる足音が聞こえる

俺の隣に並ぶと『はぁ〜』と息を吐いた

「ねぇ さと兄…」

「ん?」

「…僕 さと兄を怒らせるようなこと何かした?」

「…何もしてねぇよ?」

「じゃあなんで最近避けてるの?」

「避けてなんかないだろ?
今だってこうやって話してるし…」

「でも…前とは違う…」

「そんなことねぇだろ…気のせいだよ」

「気のせいなんかじゃないよっ
前だったら待っててくれた…
隣にいてくれたもん」

「今もいるだろ」

「ううんっ…前はみんなといる時でも僕の隣にいてくれた…
僕から来なくてもさと兄から来てくれた」

「しょうがないだろ?松潤がお前の横を陣取ってるんだから
それにいつまでも俺がつきっきりでいるのもおかしいだろ」

「…さと兄はおかしいと思うの?
いつまでも僕の傍にさと兄がいること…」

「おかしいだろ?もう高校生なんだから
翔には翔の付き合いがあるし
俺にも俺の付き合いがある
それぞれの交友関係だって大切にしないと」

「……」

黙り込んでしまった翔…

「翔?」

「そっか…そうだよね…さと兄はさと兄の付き合いがあるよね…」

哀しそうな顔をしているのはなんでだ?

俺、翔を傷つけるようなこと言った?

「わかったよ…さと兄…
もう さと兄に甘えないから
今までありがとね…」

笑顔を浮かべているのに 泣いてるように見える

そんな顔はじめて見たよ…

胸が針で刺されたみたいにツキンと痛んだ

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