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take a breather

第11章 君のうた

歌が終わり沢山のアンコールの声を貰った

「ごめんっ!俺たちこのあとクラスの当番入ってるんだ
2年1組で喫茶店やってるから
よかったら来てよ!」

松潤がちゃっかりとクラスの宣伝をして俺たちのステージは終了

「さと兄…」

背後から声を掛けられ振り向くと
少し潤んで見える翔の瞳

「今日の歌…今までで一番良かった…」

「サンキュ…」

俺の想い…少しでもお前に届いた?

「あのさ、翔…」

「ん?なに?」

小首を傾げ俺を見つめる翔

「智!急げ!時間に遅れたらクラスの奴らにどやされんぞ」

既に走ってる相葉ちゃんとニノと
今にも走り出そうとしてる松潤

「お、おうっ!」

後を追おうと足を踏み出した

「さと兄!」

俺を呼び止める翔に振り返る

「ごめん!後でな!」

翔を置いて走り出した

自分の気持ちを翔に伝えたいと思った

でも ステージを下りて冷静になると伝えて良いものか悩む…

兄弟ではないとわかったけど
これからも一緒に暮らしていかなくちゃいけない訳で…

俺の気持ちを知った翔がそれに応えてくれるかわからない

無理だとなった場合…この先 翔に嫌な思いを抱えさせながら生活することになる

そう思うとブレーキが掛かる

でも モタモタしてたら誰かのモノに…

伝えるべきか伝えないべきか

本当の兄弟ではないけど
それでも『兄弟』という関係は簡単に取り壊せないもんなんだな

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