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take a breather

第11章 君のうた

「みんな 人気あるんだね」

「え?」

「潤くんもニノくんも指名されてる…
あの子たちは相葉くん指名するみたいだし」

翔の視線の先には新たな客がふたり…

オーダーを取りに来た女子に相葉ちゃんを指名したみたいだ

「さと兄も女の子からの指名の方が良かった?」

じっと見つめられ そう問われると本当のことしか言えない

「いいや…俺 女子と何話したらいいかわかんねぇし
翔が指名してくれて良かったよ」

「ふふっ、そっか…」

楽しそうに笑う翔

「お前こそ 良かったのか?俺のこと指名して
松潤に『指名して』って言われてただろ?」

「言われたけど 指名するとは答えてないよ?」

「そうだけど…実際どうなんだ?
松潤がお前のこと好きなのわかってんだろ?」

「ん〜、どうなんだろうね?
さと兄はどう思う?」

「なにが?」

「潤くん 僕のこと好きなのかな?」

「はっ⁈そこ?あれだけお前にアピールしてんのにそれ言う?」

俺に宣戦布告紛いのことまでしてんだぞ?
どう見たって好きだろ…

「アピールって言うけどさ
いつも冗談めかしてるし
潤くんから真剣にそれらしきこと一度も言われてないよ?」

「でも 俺にはそう捉えられるような発言してるぞ?」

「僕にはそうは思えないんだよねぇ
潤くんならハッキリ『好き』とか言いそうなのに…」

「え…言われてねぇの?」

「うん、言われてない」

松潤のことだからもう言ってるものだとばかり…

堂々とデートの誘いするくらいだし

でもちょっと引っかかるところもあるのはあった…

昨日の帰り、翔が『先に帰って』と言ったらあっさりと帰って行ったこと
松潤ならそう言われても待つと思ったから

じゃあなんで本気じゃないのに
いかにも『翔を狙ってます』って感じで俺にアピールしてたんだ?

ん〜、松潤の行動が謎だ…

俺のあまりにも酷いブラコンぶりを揶揄ってただけ?

それならそれでもいいんだけど
そのおかげで俺は翔に対する気持ちに気付けたし…

多くの疑問を抱え 松潤の方を見ると
目が合い、松潤がニヤッと笑った

それは翔の指名を取られて悔しいとかの表情ではなく
寧ろニノと同じように『上手くやれよ』とでも言いたそうな顔…

もしかしてアイツ…俺のこと けしかけてたのか?

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