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take a breather

第11章 君のうた

「本気?」

「モチロン本気…
さと兄も本気でしょ?」

疑問形なのに自信有り気なニュアンス

「う、ん…もしかしてお前…
俺がお前のこと好きなの気付いてた?」

「ん…気付いてた
今日の歌…僕の為に歌ってくれたんだよね?」

これまた自信満々なニュアンス

実際そう思いながら歌ったから当たってはいるんだけど
まさかちゃんと伝わるとは…

「僕ね、ずっと さと兄のこと好きだったんだよ?
ずっとさと兄のこと見てた…
さと兄が今までと違う目で僕を見てくれたことが凄く嬉しくて…
だからここまで来たの
早く さと兄の言葉が聴きたくて」

それなのに 俺ときたらビビって逃げ腰になってた

「ごめんな、すぐに言ってやれなくて」

「ふふっ、いいよ…
だってさと兄のことだから僕のこと考えて言えなかったんでしょ?
もし さと兄の気持ち受け止められなかったら僕のいる場所なくなっちゃうもんね」

ほんとお見通しだな…

「これからはちゃんと言うから」

「うん。い〜っぱい言って?
長い間待ってたんだから」

「いつから待ってたんだ?」

「ん〜?いつだろ…
僕の記憶がある頃から?」

「それっていつだよ」

「出会った時、かな?」

「は?嘘だろ?」

そんな前?

「うん、嘘。
でも それくらい昔からさと兄のこと好きだったし
それにね、小さい頃 さと兄が言ったんだよ?『ずっと一緒ね』って」

「あぁ、言ってたな…
お前のことが可愛くて、ずっと一緒にいたいと思ってた」

「僕もだよ…
大好きなさと兄とずっと一緒にいたいと思ってた」

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