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take a breather

第11章 君のうた

家に着き牛乳とヨーグルトをしまおうと冷蔵庫を開けた

あれ?まだ牛乳あんじゃん
しかも封が開いてないのも一本ある

「さと兄 お風呂沸かしてきたよ」

「おう、ありがと…
なぁ翔 まだ牛乳残ってたぞ?」

「え?あれ?そうだった?
今朝全部飲んじゃったかと思った」

しっかり者の翔にしては珍しい見逃し

「まぁ 無いよりはあった方がいいし
すぐ飲んじゃうだろうから問題はないけどな」

「うん、そうでしょ?
あ、ほらもうすぐお風呂沸くよ
さと兄 入ってきたら?」

「あぁ、うん。いってくる」

俺は烏の行水だから
順番的に翔より先に入ることが多い

今日も10分掛かるか掛からないかで上がってきた

「お先〜」

「おかえり…僕も入ってこようかな」

リビングのソファーに座ってテレビを観ていた翔が立ち上がる

その場所に向かった俺にすれ違いざま翔が告げた

「さと兄…待っててね」

「え…」

翔を見ると恥ずかしそうに目を伏せ立ち去った

今のって…どういう意味?

『待ってて』って、あんな風に恥ずかしそうに言われたら
それなりのこと想像しちゃうんだけど…

悶々としたまま
翔が戻ってくるのを待つけど
俺と違ってなかなか上がってこない

ひとりでいると緊張感が増してきた…

恋人初日とは言え
キスくらいはしてもいいよな?

松潤にがっつくなって言われたけど
それくらいは誰でもしてるだろ

「あ〜、いい湯だった」

頬を上気させた翔がリビングに戻ってきた

「お、おかえりっ」

思わずどもってしまった俺に対し
ニコッと微笑む翔

「お待たせ」

たしかに待ったけどさ…

これから俺はどうすればいいんだ?

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