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take a breather

第12章 Step and Go

店を出て黙って歩く彼に聞く

「どこに行くんだ?」

「ホテル」

たった一言で返ってきた答え

一晩だけの相手とはいえ 会話をするということもしないのか?

相手が決まったとなれば早々に店を出てホテルに直行

本当に体の欲求だけを解消出来ればいいのか…

まぁ、それに関しては俺も人のこと言えた立場じゃないけどな

裏路地にある派手なネオンのホテル街…

「何かこだわりある?」

「え…特には」

「じゃあここでいいね
いつもここ使ってるから」

その一軒に躊躇なく入って行く

部屋を選ぶのも慣れた様子で

「今日はここでいっか…」

そう呟いて中へと入って行く

部屋に入りソファーへ座る彼…
その横に座ろうとすると

「あぁ、先にシャワーしてきちゃって
俺 後から入るから」

とことん余計な事はしないって訳か…

言われるがままシャワーを浴び腰にタオルを巻いて部屋に戻る

「ちょっと時間掛かるから
何か飲み物でも飲んでてよ」

そう言って彼はバスルームに消えた

業務連絡並みだな…必要なことだけ伝えて余計な事は一切話さない

こんなんで俺 勃つのかな?

女性ならハダカを見ただけである程度興奮するけど
男の体なんて見慣れたモノ…

ほとんど会話もせず、そういう雰囲気にすらなってないってのに
勃つ気が全くしないんだけど…

でも今更ここから帰るのもなぁ…
取り敢えずショウが風呂から出てくるのを待つか

冷蔵庫から缶ビールを取り出しソファーに座った

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