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take a breather

第13章 Monster

遡ること一か月前…

大学病院で勤務医をしている俺は
夜9時頃に帰宅の途についた

「あーっ!」

暗闇から突然聴こえた大声に
口から心臓が飛び出るんじゃないかと思うくらい驚いた

そんな俺の目の前に気が付いたらカレが立っていて…

「やっと見つけた…」

小さな声で呟いた

凄く驚いたんだよ?

でも目の前のカレのホッとした様なフニャッとした笑顔を見たら
こっちまでホッとした、というか…

なんだか妙に懐かしい気もして

その場から逃げ出そうなんてこれっぽっちも考えなかったんだ…

「あのぉ…」

「えっ⁈あ、はい…なんでしょう?」

カレが遠慮気味に声を掛けてきて
道でも聞かれるのかと思いきや…

「君の血、吸わせて?」

「………はっ⁈」

ニコッと微笑みながら
とんでもない事を言う

大丈夫か?この人…
やっぱり今からでも逃げた方が…

そう頭では考えるのに
もう一方では、この人と離れちゃいけない気もして…

「あの…怪我でもされたんですか?」

もしかすると輸血が必要なんだけど
気が動転してて言い方間違えたとか?

「ううん。君の血が吸いたいんだ」

そう言い切られ
何故か俺はこう答えた

「え、と…吸わせるのは無理だけど…少しだけでいいなら飲ませてあげるよ?」

「えっ!ほんと?いいの?」

「うん。家に来てくれればなんとか出来るかな」

「やったぁ…ありがとぉ」

満面の笑みでお礼を言われ
この現状のおかしさに不思議と警戒心は持たなかった

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