take a breather
第13章 Monster
医学生時代の友人のニノに連絡を入れた
『採血針?別にいいけど何に使うの?』
ニノは開業医だから
頼めば採血用の針を調達出来ると思った
「ん、ちょっとね…」
『翔ちゃんのことだから大丈夫だとは思うけど
マズイことに使わないよね?』
「もちろんだよ
心配する様なことは無いから安心して」
『わかった。用意しておくよ』
「ありがとう」
電話を切って智くんを見た
「大丈夫だった
針が手に入るから血液分けてあげられるよ」
「自分で抜くの?」
「うん、そう…俺、医者なんだよね」
「へぇ!凄い!やっぱり頭良いんだ」
「やっぱり?」
「あぁ、ううん…何でもない」
「そう?なら行こうか
遅くなると相手に申し訳ないし」
「うんっ」
家とは逆方向だしニノを待たせ過ぎても悪いから
通りに出てタクシーを拾った
「悪いね、疲れてるとこ」
久しぶりに会う友人は笑顔で俺を迎えてくれた
「翔ちゃんほどじゃ無いよ
今、病院からの帰りなんでしょ?」
「うん、まぁ…今日は手術があって
術後経過を確認してから帰ってきたから」
「大変だねぇ…外科医は」
「ニノだって忙しいだろ?
親父さん亡くなってひとりでやってるんだから
これから冬になるとインフル患者も増えるし」
「その前に予防接種受けに来る人も多いからね
確かに忙しい時期には入る」
「だろ?外科も内科も関係ないよ
ひとりでも多くの患者さん救わないと…」
「翔ちゃん学生の頃から言ってたよね
『救いたい命の為に頑張る』って…
俺みたいに親が医者だからとかじゃなくて
自分の意思で医者を志してる翔ちゃんの事、メチャメチャ尊敬してたよ」
「そうだったの?」
「そうだったの」
ニノが『ふふっ』と懐かしそうに笑う
「はい、これ。
タクシー待たせてるんでしょ?
また今度ゆっくり飲もうよ」
ニノから採血針を受け取った
「ん、そうだな。
じゃあ、今日はありがとな」
「いえいえ、どういたしまして」
ニノと別れタクシーに戻り
待たせていたカレに声を掛ける
「お待たせ…それじゃ家に帰ろうか」
『採血針?別にいいけど何に使うの?』
ニノは開業医だから
頼めば採血用の針を調達出来ると思った
「ん、ちょっとね…」
『翔ちゃんのことだから大丈夫だとは思うけど
マズイことに使わないよね?』
「もちろんだよ
心配する様なことは無いから安心して」
『わかった。用意しておくよ』
「ありがとう」
電話を切って智くんを見た
「大丈夫だった
針が手に入るから血液分けてあげられるよ」
「自分で抜くの?」
「うん、そう…俺、医者なんだよね」
「へぇ!凄い!やっぱり頭良いんだ」
「やっぱり?」
「あぁ、ううん…何でもない」
「そう?なら行こうか
遅くなると相手に申し訳ないし」
「うんっ」
家とは逆方向だしニノを待たせ過ぎても悪いから
通りに出てタクシーを拾った
「悪いね、疲れてるとこ」
久しぶりに会う友人は笑顔で俺を迎えてくれた
「翔ちゃんほどじゃ無いよ
今、病院からの帰りなんでしょ?」
「うん、まぁ…今日は手術があって
術後経過を確認してから帰ってきたから」
「大変だねぇ…外科医は」
「ニノだって忙しいだろ?
親父さん亡くなってひとりでやってるんだから
これから冬になるとインフル患者も増えるし」
「その前に予防接種受けに来る人も多いからね
確かに忙しい時期には入る」
「だろ?外科も内科も関係ないよ
ひとりでも多くの患者さん救わないと…」
「翔ちゃん学生の頃から言ってたよね
『救いたい命の為に頑張る』って…
俺みたいに親が医者だからとかじゃなくて
自分の意思で医者を志してる翔ちゃんの事、メチャメチャ尊敬してたよ」
「そうだったの?」
「そうだったの」
ニノが『ふふっ』と懐かしそうに笑う
「はい、これ。
タクシー待たせてるんでしょ?
また今度ゆっくり飲もうよ」
ニノから採血針を受け取った
「ん、そうだな。
じゃあ、今日はありがとな」
「いえいえ、どういたしまして」
ニノと別れタクシーに戻り
待たせていたカレに声を掛ける
「お待たせ…それじゃ家に帰ろうか」